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育つ、育てる、育む、教育などなど、「育」関連のあれこれについて

息子の「ちょっとしんどい」を受けて具体的にやったこと

昨日書いたこの記事。

micandescitrus.hatenablog.com

塾通いに関する息子の「ちょっとしんどい」という感情を受け止められてよかった、ということを書いたのだけれど、そのあとに実際にいくつかやったことがあるので書いてみる。

1.目的の再確認
そもそも何のために塾通いしているのかを、息子と一緒に整理し直した。まず、塾に行くことで得られると期待していたことを書き出していく。

・志望校に合格できる学力をつけること
・学校の授業では得られない知的好奇心を満たすこと
・暇つぶし
・勉強が特技なので、それを伸ばすこと

書き出してみると、そのうちのいくつかがもう古くなっていたことに気づいた。もはや「暇つぶし」というボリュームを大きく超えているし、「知的好奇心を満たすこと」には内容が固定化しすぎていて限界がある。「(勉強という)特技を伸ばす」というところはまだ伸び代ありそうだけど、そこにやりがいを感じているかというとそうでもない、という状況。

結局のところ、進学塾に通っている目的って「志望校に合格できる学力をつけること」なんだよな、と腹落ちした。いやまあ進学塾ってそういうものなんだけど、特にわたしの側に、そこを認めたくない気持ちがあったのだと思う。「受験のためだけじゃない」って思っていたかった。まあ実際には受験に役立つ以外の面もたくさんあるけど、そこに固執することで見えなくなることもある(本人のしんどさとか)。この腹落ちは何より親のわたしにとっては良かった。

2.現状の把握
「志望校に合格できる学力をつける」が目的となれば話は早くて、現状を把握してゴールとのギャップを埋めていけばいい。そこで、次にしたのは「志望校の過去問を解いてみる」。(その前に、「ほんとにここ志望する?」という再確認のプロセスがあったんだけどそこは割愛。)
実際に志望する学校の過去問を解いてみて、現状を把握しました(笑)。合格判定模試で80%出していても実際の問題を解いてみると半分も解けない。どういうことだ。要は、普段解いている問題の質が全然違うのだ。じゃあ今のスタイルでやってたってダメなんじゃ・・・というところで次。

3.実現のために必要なアクションを最適化する
息子の状況をみると、基礎はしっかりできている一方で、いくつかの基礎を組み合わせた応用問題に弱い傾向があることがわかる。理解力と記憶力があるので解いたことがある問題には強いんだけど、手を動かしながら条件整理していくような地道な体験が不足しているので、初見の問題への対応力が意外と弱い。
ここを「記憶する量(演習量)を限界まで増やす」コースで行くか、対応力そのものを培っていく方向でいくか。我が家は後者を選ぶことにする。


具体的にいうと、塾のカリキュラムを勝手にカスタマイズすることにした(笑)。時間対効果の高そうなものを中心に取り組むことにして、何となくやることになっているようなものは思い切ってカットすることにする。(塾の先生が一番渋い顔するやつです)
ただ、量的にぐっと減らした分、質的にはこれから厳しい作業が待っている。ひとつの問題を考え抜くとか、「なぜそう考えたか」をひとつ言語化していくとか。不慣れだから大変だと思うけど、息子よ、君の行きたい学校が受験生に望んでいるのはたぶんそういう姿勢なので頑張って。

4.やりたいことからスケジュールする
もうすぐ夏休み。「今年は受験だから無理だろうなって思っていることを全部書き出してみよう」と声をかけ、それをスケジュールに入れていった。
「おじいちゃんちに行きたい」という言葉には、高齢にさしかかったり病気だったりする両祖父母のことを気にかける優しさが見えるし、「ひとりで電車旅」は鉄道&旅程マニアとしての彼を見るならば自然な夏休みの過ごし方だ。「山の家でゆっくり過ごす」。いいね、八ヶ岳はこれからいい季節だよ。全部を頭から「受験だから無理」と決めることはない。合否とも関係ない(んだと思うよ、本当は)。

という4つのプロセスを経て、息子は俄然やる気を出・・・すとまではいかないものの、前よりもだいぶすっきりと落ち着いていると思う。わたしも、なんとなく直面することを避けてきた「中受問題」について一度しっかり見てみることができて良かった。