甘夏edu

育つ、育てる、育む、教育などなど、「育」関連のあれこれについて

今、日付が変わりました

除夜の鐘を、初めてついた。

 

紅白でユーミン桑田佳祐の往年感に胸を打たれ、すっかり満足してさあ寝ようか、となった時に、 長男が、「じゃあ約束通り(鐘つき)行こうか!」と言い出した。夕食時に、義姉が行ったらいいよーと勧めていたのを思い出したが当の彼女はもう寝ている。寒いんじゃないかとか鍵を開けて行って大丈夫かとか口ではいいながら、なんとなくコートを羽織って外に出てしまった。紅白のせいで高揚していたのだろう。

 

既に鐘は鳴り始めていて、少し小走りになりながらお寺へ向かった。

 

お寺には、住職さんと身内らしき子どもが4人、それと、若者がひとりいた。

 

名乗りもせずにいきなり「次何回目ですかー」とか言いながら鐘つきの列に入っていく長男と、誰、とも聞かずに応じるお寺さんの子たち。子どもの世界は話が早い。

 

住職さんとぽつぽつ言葉を交わしていると、それまで少し離れて携帯を見ていた若者が、にこにこしながら「今、日付変わりました」と言った。

 

見知らぬおばちゃんとおばあちゃん(←住職さん)に向けられたにしては、それは本当に嬉しそうな表情と声色で、彼が新年をわくわくしながら待ってたことがわかった。

 

それから、三人でかわるがわる「おめでとうございます」と言い合った。よく知らない人と交わす新年の挨拶は、なかなか良いものだった。

 

なんとなく弾んだ気持ちになって、わたしは子どもたちの鐘つきの列に入り、60回目の鐘をついた。60、と書かれた手書きの札を取り、焚き火にくべる。火の粉を追いながら夜空に視線を移すと、小さい星が見えた。特別な夜特有の匂いがした。