甘夏edu

育つ、育てる、育む、教育などなど、「育」関連のあれこれについて

しずくがこぼれ落ちるように

人が変化する瞬間が好きだ。

たとえば、跳び箱が飛べるようになる。ずっと指が回らなかったパッセージが弾けるようになる。考え続けてたことが、ふっと「わかる」。お互い緊張して固くなってた会議の空気が、ゆるんで流れ出す。そういう瞬間にたくさん出会いたい。

それは、しずくがギリギリまでふくらんで、ぽたっとこぼれ落ちるのに似ている。ひとつの状態が満ちて、次に行く。自然のままにしていても進んでいくけれど、風が吹いて枝が揺れるように、外からの刺激がきっかけになったりもする。そうやってわたしたちは日々、満ちてはこぼれ続けているのだと思う。

数年前、祖母が他界した時にもそれを感じた。自宅で最期を迎えた祖母は、その2日前から食事をとらなくなった。話さなくなった。目をあけなくなった。そうやって少しずつ、祖母は次のフェーズへと移行していった。

こうした変化の連続を「育つ」ということもできるだろう。衰えていくことも含めるならば、わたしたちは生涯を通じて育ち続ける。

日々育ってゆくわたしたちの、変化の瞬間をとらえたり、そこにある秘密を考えたりするために、このブログを使っていきたいと思います。